慰霊碑のデザインについて 高元秀
慰霊碑には二つの想いが込められています。
ひとつは犠牲者への想いです。
およそ3万人といわれる犠牲者たちに想いを馳せたとき、
浮かんだのは2014年に済州4・3平和財団が公募し、
済州4・3の歌として制定された歌曲
「빛이 되소서−光となりたまえ」でした。
済州道本島に見立てられた台座の中央、
ちょうど漢拏山あたりに立った塔は、
光となり私たちを見守る犠牲者たちを表しており、
正三角形の塔は光の三原色に由来しています。
もうひとつは慰霊碑の前に立つ人々への想いです。
慰霊碑には済州島すべての里(村)から持ってきた178の石が、
地図に沿って設置されています。
この石たちを前に立つ人々はなにを想うのか。
この石たちには、いまだ様々な事情で故郷、済州島の地を踏むことが出来ない方々が
碑の前に立ち、石に触れ、少しでも遠い故郷と繋がれればという想いを込めました。
また石は70〜120cmと低い位置に設置されています。
これは次世代である子たちの目の高さに合わせたもので、
慰霊の心が受け継がれていくことを祈願したものです。
ここに「慰霊とは」の問いに答えた当実行委員会共同代表、
呉光現の言葉を記します。
「慰霊ということは?」
- 歴史を記憶
- 悲しみの共有
- 後世に残す
- 次世代に継承
- 平和を創りだす
この慰霊碑がこれらの想いに少しでも寄与できることを願います。