在日本済州四・三 71周年犠牲者慰霊祭は、4月28日(日)午後2時より大阪・和気山統国寺にて開催され、済州からの出席者を含む約250名が参列しました。
慰霊祭では、冒頭で犠牲者に黙祷を捧げた後、まず統国寺ご住職らによる読経が行われました。
次に主催者を代表して呉光現・在日本済州4・3犠牲者遺族会会長が、来賓から朴泰男・関西済州特別自治道民協会会長、宋承文・済州4・3犠牲者遺族会会長、玄吉鎬済州特別自治道議会議員、梁祚勲・済州4・3平和財団理事長(コ・スンホン理事代読)が、追悼辞を述べました。
続いて、朴仙美さん、任洙香さん、コリア舞踊団クスルのみなさんによる追悼舞が披露されました。
朴仙美さんによる「菩薩の舞(보살춤)」は、朝鮮舞踊のレジェンド崔承喜の代表作を現代に蘇らせた意義深い演目でした。
郷里が済州という任洙香さんの「アリラン(아리랑)」は、故郷への想いと統一を願う心情が溢れ出た熱演で、観客の心を打ちました。
コリア舞踊団クスルによる「巫女の舞(무녀춤)」は、現在よく演じられる在日朝鮮人の舞踊団の演目とはやや趣を異にし、土俗的な雰囲気を漂わせた興味深い振付でした。
最後に、朴仙美さんが演じた「荒波を越えて(풍랑을 뚫고)」は、4・3事件に加勢しようと小舟を浮かべて済州島へ向かったという老人の記事にインスピレーションを得た崔承喜が、1949年に創作した作品です。4・3に題材を得た希有な作品を今回演じていただき、驚きとともに新鮮な感動を参列者が共有することになりました。
プログラムの締めくくりとして、慰霊碑除幕式にもご出演いただいた在日コリアン青年ハンマウムが溌剌としたプンムルを披露して下さいました。舞踊団クスルとのコラボレーションをフィナーレに演じた後、全出演者によるカーテンコールで慰霊祭は無事幕を閉じました。
慰霊祭終了後は、参列者が思い思いに慰霊碑へ献花をしました。慰霊碑に供えられた済州の各マウル(村)の石を、いとおしそうに触って確かめる参列者もおられました。
今回の慰霊祭は、とくに朝鮮民主主義人民共和国側の流れを汲む舞踊作品の公演を実現できたところに、大きな意義がありました。呉光現・在日遺族会会長が追悼辞で述べているように、済州4・3が「朝鮮半島すべての和解と協働のシンボル」となるよう、今後も努力していきたいと思います。
開催にご尽力、ご協力くださったすべてのみなさまに感謝いたします。