済州四・三 73周年大阪慰霊祭

約3万人が亡くなったと言われる済州4・3事件。済州出身者が多く住む大阪では、毎年犠牲者慰霊祭を開催しています。

4・3受刑者に刑事補償

2019年1月に再審を通じて事実上の無罪が確定した4·3生存受刑者18人に対し、同年8月21日、総額53億ウォンの刑事補償金支給が決定されました。ここではその概要を報じたハンギョレ新聞記事と、刑事補償金額の妥当性を検証した聯合ニュース記事の日本語訳のほか、済州MBC・KBS・JIBSのニュース動画やその他主要なニュース記事へのリンクを紹介します。

済州4・3の時、無念の受刑生活を過ごした受刑者たち... 53億ウォン刑事補償【日本語訳】(ハンギョレ2019/08/21)

4・3生存受刑者18人、今年1月に再審で「無罪」
1人当たり最低8千万ウォンから最大14億7千万ウォンを決定
生存受刑者・遺族ら、刑事補償請求訴訟が相次ぐ模様

済州4·3当時、拷問などを受け、無念の受刑生活を過ごしたのち、再審を通じて70余年ぶりに事実上の無罪が確定した4·3生存受刑者18人が、国家から総額53億ウォンの刑事補償金を受け取ることになった。

済州地方法院第2刑事部(裁判長チョン・ボンギ)は21日、済州4·3当時、軍事裁判で無念の受刑生活を過ごしたのち、再審で事実上の無罪が確定した4·3生存受刑者18人に、拘禁に対する補償として、国家が最低8千万ウォンから最高14億7千万ウォンずつ、総額53億4千万ウォンを支給せよという刑事補償決定を下した。

これに先立ち済州4·3生存受刑者など18人は、さる2月22日済州地方法院に、4·3再審事件公訴棄却決定にともない刑事補償請求書を提出した。刑事補償請求は刑事補償法によって刑事被疑者または刑事被告人として拘禁された者が、不起訴処分や無罪判決を受けた時、国家に補償を請求することができる制度である。刑事補償および名誉回復に関する法律施行令第2条(補償の限度)には「拘禁に対する補償金の限度は1日あたり補償請求の原因が発生した年の最低賃金法による日給最低賃金額の5倍とする」となっている。

法院は今年の最低賃金法上、日給最低金額が6万6800ウォンで、1日の補償金下限は6万6800ウォン、上限は33万4千ウォン(6万6800ウォン×5)だが、拘禁期間のすべてに33万4千ウォンを適用し決定した。

このたび刑事補償金を受けることになった生存受刑者たちは、済州4·3の時の1948年秋から翌年7月の間に拘禁され、軍事裁判でおもに内乱罪やスパイ罪などの嫌疑を受けて、他地方の刑務所で受刑生活を過ごした人びとである。生存受刑者たちは当時10~20代の歳に拷問などを受けたり、無念の濡れ衣を着せられ、短くて1年から長くは10年以上、受刑生活を送った。かれらはさる1月17日、71年ぶりに開かれた歴史的な4·3受刑者再審裁判で、事実上無罪の主旨の「公訴棄却」判決を受けた。今回の刑事補償決定で、生存犠牲者や遺族たちの刑事補償請求訴訟が相次ぐだろうと思われる。

1999年9月、当時の与党・新政治国民会議(現・共に民主党)4·3特委副委員長であった秋美愛議員が政府記録保存所(現・国家記録院)で発掘し公開した受刑者名簿には、総計2530人の名前が記録されているが、このうち大部分が獄死したり、朝鮮戦争の時期に銃殺されるなど、行方不明となった。

ホ・ホジュン記者

済州4・3受刑者53億ウォン台刑事補償金「特恵」vs「正当な補償」【日本語訳】(聯合ニュース2019/08/22)

法定最高額策定の事例、金大中前大統領をはじめ、5・18民主化運動の市民まで多数

(済州=聯合ニュース)ピョン・ジチョル記者=不法軍事裁判の再審を通じて名誉を取り戻した済州4・3生存受刑者が、合計53億ウォン台の刑事補償金を受け取ることになった。

済州4・3当時、不当な公権力によって寃罪を被り、懲役1年から最大20年にわたる無念の獄中生活を過ごした補償である。

失われた青春と70年間「犯罪者」という汚名を被って生きなければならなかった苦痛の歳月を、金で完全に補償されうるだろうか。

一部では最低賃金法上、日給最低賃金額の5倍である法定最高額を基準として補償金を定めた法院の決定が、4・3生存受刑者に対する特恵ではないかという公平性の問題が提起されている。

判決により刑が執行されたことを直接確認できる公訴状や公判記録、判決文など資料が全くなく、これらの拘禁日数を算定する正確な根拠が不足していた点も、公平性の問題が議論される一原因となった。

名前と当時の年齢・量刑・収監刑務所などが記載されている受刑者名簿と、国家記録院などを通じて入手した受刑関連文書が一部残っており、該当する記録と請求者の記憶を根拠として、かれらが刑務所に拘禁された根拠を類推しただけだった。

済州地方法院刑事2部(チョン・ポンギ部長判事)は、21日不法軍事裁判再審を通じて、公訴棄却判決を受けたイム・チャンウイさん(99・女)など済州4・3生存受刑者17人と、死亡したヒョン・チャンヨンさん(88)に、総額53億 4千万ウォンを支給する内容の刑事補償を決定した。

法院はかれらに対する補償金支給基準を法で定める最高額とした。これにともない拘禁日1日当たりの補償金支給基準は、2019年の日給最低金額6万6800ウォンの5倍に達する33万4000ウォンに決まった。

刑事補償金は「刑事補償および名誉回復に関する法律」により、無罪が確定した年の最低賃金法上の日給最低金額以上を支給しなければならず、最大で5倍まで支給できるよう定められている。

裁判部は「4・3事件の歴史的意義と刑事補償法の趣旨などを考慮して、請求者が請求した金額をほぼそのまま認容した」と説明した。

すなわち、刑事訴訟の手続きにより無罪判決などを受けた者に対する、正当な補償と実質的な名誉回復に資するためという「刑事補償および名誉回復に関する法律」の目的を、最大限生かすための趣旨と解釈される。

では、法定最高額を定めた法院の今回の決定は異例的だろうか。

毎年最低賃金は引き上げられ、時期により日給最低金額は違うが、刑事補償金の決定にあたって法定最高額を定めた事例は何回もあった。

緊急措置9号違反の嫌疑で獄苦をなめてから36年ぶりの2013年7月、再審を通じて寃罪を晴らした金大中前大統領と文益煥牧師の場合である。

ソウル高等法院刑事7部は翌年の2014年1月、金前大統領夫人の李姫鎬女史に1億9887万ウォンを、文牧師三男の文盛瑾前民主党常任顧問に2億0606万ウォンを、それぞれ政府が支給せよと決定した。

法院はかれらの拘禁期間と精神的苦痛などを考慮し、補償金額を法で定めた最高額の拘禁日1日当たり19万4400ウォンと決めた。無罪確定判決が出された2013年の1日最低賃金日給3万8880ウォンの5倍に該当する金額であった。

金大中前大統領は1023日、文益煥牧師は1060日、それぞれ拘禁された。

また1970年代の「在日同胞留学生スパイ集団事件」で死刑の宣告を受けて服役した在日同胞康宗憲さん(65)は、法院から10億ウォン台の刑事補償金支給の決定を受けた。

法院は「康さんは1975年12月2日から1988年12月21日まで4769日間拘禁された」として、無罪確定判決を受けた2015年当時、最低賃金日給4万4640ウォンの5倍に達する1日補償金上限の22万3200ウォンを適用することにした。

また最近では5・18民主化運動に参加し不当に有罪判決を受けたのち、再審を通じて無罪が確定したイ・ビョンス(62)さんが2900万ウォンの刑事補償金を受けることになった。

イさんは1980年5月21日、全南・海南で市民らとともに、非常戒厳令解除と金大中釈放を求めるスローガンを叫びデモをした嫌疑で、懲役2年・執行猶予4年を宣告された。

彼は刑が確定する前までの112日間拘禁されたが、光州地方法院刑事1部はさる1月、2018年の最低賃金日給額6万0240ウォンの5倍である約30万ウォンに補償額を算定し、イさんが以前、民主化運動関連者名誉回復および補償審議委員会から支給された460余万ウォンを差し引いた金額を支給するよう決定した。

刑事補償金を最低賃金法上の日給最低賃金額の最大5倍まで支給でるように法律が改正され、施行されたのは1992年からである。

それ以前の1991年までは、刑事補償金の上限を1日1万5千ウォンに制限していた。

1991年当時、日給最低金額が3万2800ウォンであることを考えれば、その半分にも満たない金額であった。

被害者が無念にも長期間拘禁され、生業に従事できないことはもちろん、弁護士選任費用、本人と家族の精神的苦痛、名誉毀損などのさまざま被害に比べれば、補償金が少なすぎて非現実的という指摘を受けていた。

「国家が補償せよ」4・3受刑者に刑事補償決定【動画】(済州MBCニュース2019/08/22)

「無念の獄中暮らし」…済州4・3受刑者に刑事補償決定【動画】(KBSニュース2019/08/22)

刑事補償決定…特別法改正急げ【動画】(JIBSニュース2019/08/22)

「4・3受刑者に対する刑事補償決定が下され、各界で歓迎する立場が表明されています。しかし真の4・3の解決のためには、4・3特別法改正を急がねばという指摘も起こっています。」

済州4・3受刑者18名、71年ぶりに無念の獄中暮らし、53億補償(中央日報2019/08/22)

「70年凝り固まった恨(ハン)が解き放たれました」…済州4・3受刑者、国家賠償「歓迎」(韓国日報2019/08/22)

4・3受刑者、初の「刑事補償」決定…済州社会いっせいに「歓迎」(ヘッドライン済州2019/08/22)

元喜龍済州道知事「4・3生存受刑者、刑事補償決定歓迎」(済州の声2019/08/21)

済州道議会「4・3生存受刑者、刑事補償決定歓迎」(済州の声2019/08/22)

済州4・3研究所「4・3受刑者、刑事補償決定歓迎」(ヘッドライン済州2019/08/22)

民主党済州「4・3の完全な解決のためにいっそう努力」(済州道民日報2019/08/22)

 

f:id:y-support:20190126165841j:plain