済州四・三 76周年大阪慰霊祭

約3万人が亡くなったと言われる済州4・3事件。済州出身者が多く住む大阪では、毎年犠牲者慰霊祭を開催しています。

4・3行方不明者341名の再審開始決定

済州4・3のさなか、内乱罪や国防警備法違反罪を理由に懲役刑を宣告され、受刑生活中に行方不明となった「受刑行方不明者」341名に対する再審の開始が、2021年2月18日付で決定されました。このような大規模な再審開始決定は韓国司法史上前例がなく、行方不明者は73年の歳月を経て、ようやく正式な裁判を受けることになりました。

さる2019年1月には、4・3軍事裁判受刑者に事実上の無罪と言える公訴棄却の判決が宣告されています(当ブログに掲載した関連記事のリンク集 )。また2020年12月には、4・3の一般裁判および軍事裁判の受刑者再審で、それぞれ初めて無罪が言い渡されました(当ブログに掲載した関連記事のリンク集 )。

以下は、済州のネット新聞『済州の声』掲載記事の翻訳と、その他記事へのリンクです。

20カ月の大長征、済州4・3行方不明者341名の再審開始決定(済州の声)

済州4・3で遺体すら見つからなかった4・3行方不明受刑者の史上初の再審事件について、法院が歴史的な全員開始の決定を下した。再審請求以後、20カ月ぶりの正式裁判再開決定である。

済州地方法院第2刑事部(カン・チャンス部長判事)は、内乱実行と国防警備法違反などの嫌疑で獄中生活を過ごした故オ・ヒョンリュルさんなど、行方不明受刑者に対し、18日付で開始決定をすべて終えた。

2019年6月3日、行方不明受刑者の最初の再審請求以後、現在まで集団再審事件に参加した行方不明者は341人である。故人となった人びとに代わって、訴訟にのぞんだ再審請求者(遺族)は331名だ。

この中、2019年6月3日に最初の再審請求に立ち上がった故オ・ヒョンリュルさんなど10名については、2020年11月30日に初の開始決定が出た。続いて今年1月21日、史上初の無罪判決が下された。

2020年2月18日には331人の行方不明者の無念さを晴らすため、遺族332名が2次再審請求に立ち上がった。今回の再審開始決定は、2次再審請求以後、ちょうど1年ぶりの決定である。

当初の被告は349名、再審請求者は342名だったが、裁判の間に再審請求者が死亡したり、再審請求を取り下げがあって、人数が変わった。

2020年6月8日、行方不明受刑者に対する最初の尋問手続きが始まったのち、6カ月に渡って合計21回審理期日が法院で開かれた。尋問手続きを通じて法廷で陳述した高齢の遺族だけでも38名に達している。

裁判所の再審開始決定が終わり、行方不明者たちは被告人の身分で済州地方法院第201号法廷で裁判を受けることになる。4・3勃発以来、73年ぶりの正式裁判である。

検察は法院の決定について、3日以内に即時抗告することができる。ただし抗告を放棄すれば、再審開始決定はそのまま確定される。

法院では前例を見い出し難い数百余名の同時再請求などさまざまな状況を考慮し、特別期日を定めて一括正式裁判を進行する方案を検討していることが分かった。

検察も済州4・3特別法改正の推進などを勘案し、最終意見書作成に苦心することが伝えられた。既存の生存受刑者と行方不明者の再審事件を考慮すると、無罪求刑が有力だ。

即時抗告放棄による再審開始決定が確定すると、検察の最終意見を経て、第73回4・3追念式の前に歴史的な再審宣告がなされる見通しだ。

済州4・3「受刑行方不明者」340余名再審開始決定…史上最大規模(ハンギョレ) 

法院、4・3行方不明受刑者331名追加再審開始決定(KBS)

4・3行方不明受刑者名誉回復のためには(ニュー済州日報)

済州4・3行方不明受刑者再審決定を終える(済民日報)

 

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