済州四・三 76周年大阪慰霊祭

約3万人が亡くなったと言われる済州4・3事件。済州出身者が多く住む大阪では、毎年犠牲者慰霊祭を開催しています。

済州道知事・教育監が大阪慰霊碑を参拝

2023年1月29日、来日中の済州特別自治道知事・教育監が大阪の4・3慰霊碑を参拝しました。韓国のネット新聞各サイトに知事・教育監や在日遺族の発言内容が報道されていますが、記事のソースとなった報道資料の日本語訳を紹介します。

 済州特別自治道の報道資料中に、呉光現会長の所属が在日本済州4・3犠牲者遺族会大阪支部となっていますが、在日本済州4・3犠牲者遺族会に「大阪支部」は存在しません。呉光現氏は「在日本済州4・3犠牲者遺族会」の会長です。

 また教育庁報道資料には「呉光現会長は「日本済州4・3犠牲者慰霊碑建立実行委員会」常任共同代表として活動した経緯がある」との記述があります。実際、呉光現会長は慰霊碑建立において中心的な役割を果たされましたが、同実行委員会に代表職は置いておらず、「常任共同代表」なる職位もありません。

 大阪での4・3運動がややもすれば、誤って伝えられるケースを目にするため、あえてこの場で指摘する次第です。

「4・3の正義ある解決、在日本犠牲者・遺族を疎外してはならない」
呉怜勲道知事、統国寺慰霊碑参拝および遺族懇談会開催(済州特別自治道報道資料2023/01/30)

済州特別自治道は済州4・3の正義ある解決に在日本犠牲者と遺族が疎外されないよう支援を強化する。

呉怜勲済州特別自治道知事は29日、大阪統国寺在日本済州4・3犠牲者慰霊碑を参拝し、在日本済州4・3犠牲者遺族会大阪支部(呉光現会長)と懇談会を開催した。

▶呉怜勲済州道知事は懇談会で昨年から始まった国家補償金支給と職権再審を通じた名誉回復など過去事解決の模範事例として蘇っている4・3の被害回復状況を説明した。

また、日本に居住する生存犠牲者と遺族も国家補償金を受け取ることができるという事実を伝え、犠牲者追加申告のための行政的支援を約束し遺族会の協力を要請した。

呉怜勲済州道知事は「無辜の犠牲という痛みを乗り越え、正しい解決へと進む済州4・3の進展した歴史は、関西地域の済州人たちには格別な感動そのものだろう」として「4・3の狂風から生き残るために玄海灘を渡って異国の地で苦労し耐えなければならなかった胸の中の恨(ハン)と悲しみを拭える新しい転換点が始まった」と述べた。

▶呉怜勲済州道知事は続けて「在日済州人被害実態追加調査と4・3犠牲者追加受付も進めている」として「日本にいるという理由で被害補償と名誉回復から疎外されないように漏れなく詳しく調べる」と強調した。

在日本済州4・3犠牲者遺族会大阪支部の呉光現会長は「日本でも国家補償金申請ができるよう行政的支援が必要だ」として「多くの遺族が高齢である点を考慮し補償手続きを迅速に進めてほしい」と要請した。

済州市朝天邑出身のある遺族は「義父が4・3の時に槍に突かれ、後遺症で10年間苦労しながら亡くなった」として「後遺症のため後に亡くなった方も、被害者と認められ補償を受けられるよう措置してほしい」と話した。

呉怜勲済州道知事はこれを受け「外交部と協議し、駐大阪大韓民国総領事館で被害申告や補償金申請に関連した証明書発給および受付ができるよう方法を探してみる」として「申告および補償の手続き案内と相談など、済州道のレベルで支援できる方案を用意し速かに施行する」と約束した。

▶呉怜勲済州道知事は続けて「来る6月30日までに4・3事件の犠牲者と遺族に対する第8次追加申告の申請を受け付けている」として「周辺にまだ申告していない犠牲者と遺族がいれば遺族会でもアナウンスをお願いする」と付け加えた。

金光洙教育監、大阪で4・3犠牲者慰霊碑を参拝 
「4・3 70周年を迎え、済州の悲劇を忘れずに記憶するために設立された慰霊碑参拝」(済州特別自治道教育庁報道資料2023/01/30)

2023年在日本済州道民会新年挨拶会に参加するために日本を訪問している金光洙済州特別自治道教育監をはじめとする道教育庁訪問団は、29日午後1時、大阪統国寺に所在する「済州4・3犠牲者慰霊碑」を訪れ参拝した。

この場には呉光現在日本4・3犠牲者遺族会長ら日本の4・3遺族も同席した。呉光現会長は「日本済州4・3犠牲者慰霊碑建立実行委員会」常任共同代表として活動した経緯がある。

在日本済州4・3犠牲者慰霊碑は2018年に4・3事件70周年を迎え、済州出身同胞が多く居住している大阪に、済州の悲劇を忘れずに記憶する記念物を建てようという意味で統国寺境内に建てられた。

金光洙教育監はこの日、在日本済州4・3遺族たちと会った席で「すべての方々の声援で済州4・3が歴史教科書に載せられることになって幸いだ」とし、「困難な時期、愛郷精神と済州の成長は教育にあるという考えから、教育に惜しみなく声援を送って下さったみなさまに心より感謝申し上げる」と述べた。

金光洙教育監は続けて「このような同胞たちの意を引き継ぎ、私たちの子供たちと済州の未来のために、教育に一層力を尽くす」と強調した。

これに先立ち、金光洙済州特別自治道教育監と訪問団は28日、東京の精養軒で開かれた関東道民会の新年挨拶会に参加した。大阪済州4・3慰霊碑を参拝した後、金光洙済州特別自治道教育監をはじめとする訪問団は大阪帝国ホテルで開催された関西済州道民会新年挨拶会に参加した。

一方、訪問団は翌日、済州道朝天邑新村里出身の在日韓国人曺圭訓氏が設立した民族学校である建国学校を訪問する計画だ。

 

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