済州四・三 76周年大阪慰霊祭

約3万人が亡くなったと言われる済州4・3事件。済州出身者が多く住む大阪では、毎年犠牲者慰霊祭を開催しています。

詩集『海女たち』刊行

生きているときは
一度もあなたと一緒に触れることのできなかった
夜の海 ひとり水に身をあずけましょう
赤い唇のような椿の花にくるまれて
青い舌のような波のしとねに横たわりましょう

現在、済州4・3研究所の所長をつとめておられる詩人ホ・ヨンソン(許榮善)さんの詩集『海女たち―愛を抱かずしてどうして海に入られようか』が、姜信子さんと趙倫子さんの日本語訳で、2020年3月31日に新泉社より刊行されます。原書の『해녀들』(문학동네、2017年刊)は2018年に第3回金光協文学賞を受賞しています。

本書には、植民地時代の海女闘争、日本をはじめ他郷への渡航体験、4・3事件など、歴史の荒波に揉まれながら、凜々しく生きる済州海女の生活の姿が描き出されています。ぜひ手にとってお読みください。

詳細は、新泉社の本書紹介サイトをご覧ください。

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なお、ホ・ヨンソンさんを講師に迎え、3月15日に開催予定であった公開学習会「済州四・三と女性 その苦難と再起」は、新型コロナウイルスの感染拡大により延期しましたが、今秋には実施する計画です。

以下は、金光協文学賞授賞委員会の本書への評です。(『済州の声』2018年9月13日付記事から翻訳しました。)

『海女』は叙事と抒情を併せもった秀作である。叙事は済州島の悲劇的な歴史を横糸に、抒情は済州海女の具体的な日常を縦糸にして、質実だが力のある文体で感動に満ちた詩世界を構築した。その腕前が済州に生まれ育った生活から肉体化された結実という点がいっそう頼もしい。

 

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