済州四・三 76周年大阪慰霊祭

約3万人が亡くなったと言われる済州4・3事件。済州出身者が多く住む大阪では、毎年犠牲者慰霊祭を開催しています。

4・3 70周年短編映画「シッケ」(リンク)

済州4・3第70周年汎国民委員会の後援で制作された4・3 70周年短編映画「シッケ(식게)」を紹介します。YouTubeのOhmynewsTVに掲載されている「シノプシス(あらすじ)」「演出意図」を日本語に訳出しました。

【あらすじ】

それでなくても塾の時間に遅れているのに、自動車の後ろで誰かがぐずぐずしているようだ。外に出てみると、済州方言を使うおばあさんが母のことに気づいて喜んでいる。母の故郷が済州だったことも「シッケ(식게)」(제사:祭祀=法事の済州方言)という言葉も、息子は聴いたことがなかった。おばあさんは母に、今日は「シッケ」だ、夕方に立ち寄りなさい、と言ったのだが……。

その日の夕方、よく分からない対話を交わすおばあさんと母。待ち疲れた息子は、おばあさんの家のドアを開けてみる。息子の視野に入ってくるすすり泣く母と、何人かの写真が飾られた祭壇。果たして彼らには何が起こったのか? そして母はなぜこのことを隠していたのか?

【演出意図】

済州の現在は、美しい景色と余裕のある生活のペースで、行きたく住みたいところだが、70年前は違った。国家権力により3万人を超える民間人が無差別に皆殺しにされた死の島であり、数多くの村が突然なくなってしまった惨たらしい傷跡と記憶が残っているところだった。またその70年は、韓国近代史の奇形的で暴力的なイデオロギーの点綴によって、悔しい悲しみを言葉にできないように、しつこく忘却するよう要求された時間でもあった。

その記憶を忘れ、伝えようとしない第2世代と、だから全く知らない第3世代、それでも黙々とそのシッケ(祭祀)を守って過ごしてきた第1世代との偶然の出会いを通じて、目を背けることも忘れることもできない、その記憶を引きづり出そうとした。村中が同じ日に行われるという「シッケ(祭祀)」を通じて。そうして逆説的に、済州4・3はみなが忘れてはならない大韓民国の歴史であることを示そうとした。

KBS済州「7 今日の済州」(2019/04/29)でも放映されました。

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