済州四・三 76周年大阪慰霊祭

約3万人が亡くなったと言われる済州4・3事件。済州出身者が多く住む大阪では、毎年犠牲者慰霊祭を開催しています。

済州大大学院に「4・3融合専攻」新設

2023年度、済州大学校大学院に「4・3融合専攻」が新設されました。2学期が開講される9月第1週より授業がはじまります。済州大の公式広報記事と、今後への期待と課題について解説したオーマイニュースの記事(原記事は「済州の声」제주의소리)を翻訳、紹介します。その他、ニュース動画や説明会記事へのリンクも掲載しました。

京都大学で学位を取得した高誠晩副教授(准教授)をはじめ、スタッフは若手教員が中心の模様。頼もしい限りで、大いに期待したいと思います。

済州大大学院「4・3融合専攻」新設(済州大学校 JNU NEWS 2023/08/04)

https://www.jejunu.ac.kr/ara/scholnotice/notice.htm?page=6&act=view&seq=198824

済州大学校(総長キム・イルファン)一般大学院は4・3融合専攻課程を新設し、2023学年度2学期から運営する。

4・3研究は教育学、文学、法学、史学、社会学、人類学、精神医学、政治学、哲学など学際間の共同作業を要求する分野であり、経験研究と理論研究、そして教育と研究の好循環が必要な分野だ。済州大は4・3学問の後続世代養成と研究インフラ体系化の役割を、責任をもって遂行しようと、済州道、済州道議会、済州国際自由都市開発センターと協定を結び、予算支援を受けて修士·博士養成課程を作ることになった。

融合専攻は2つ以上の学科間協議を通じて、融合的教育のための別途課程を提供する形態であり、参加学科大学院の在学生を募集対象とする。さまざまな専攻で入学した修士・博士課程生を、各専門分野の4・3専門家として養成しようとする。養成された専門人材は、初・中等教育、国内外高等教育·研究機関、行政職、言論職などで、先導的な役割を担当するであろう。

4・3融合専攻の志願資格は1学期以上履修し、6単位以上取得した融合専攻参加学科(専攻)所属の済州大学校大学院生である。現在の参加学科(専攻)は国語国文学科、史学科、社会学科、一般社会教育専攻、政治外交学科で、今後さらに多様な学科(専攻)が合流する予定である。原所属学科専攻選択単位の2分の1以上を融合専攻科目として追加履修し(博士15単位以上、修士9単位以上)、韓国研究財団登載候補誌以上の学術誌に4・3関連論文を1編以上掲載した学生には、原所属専攻および融合専攻の履修をともに表記した学位が授与される。

4・3融合専攻課程生には多様な奨学特典が与えられる。4・3融合専攻開設教科目を履修する場合、学業支援金が提供され、4・3を主題にした論文を学術誌に掲載したり、関連主題で学位論文を作成する場合は支援金が支給される。また、国家暴力と歴史的傷痕を主題に国外(日本、台湾、ポーランド、リトビアなど)および国内(順天、光州、老斤里、居昌など)踏査に参加し、国内外学術行事で研究成果を発表·討論する機会を持つ。長·短期交流修学プログラムと単位交流制もまた開発中である。

冷戦と脱植民地、ディアスポラや発展主義などの問題意識の中で、4・3と4・3以後を考察する多学際的研究により「4・3学」の理論的·実践的基盤を確立することも、また4・3融合専攻の課題である。国内外の研究者の研究成果と課題を共有し、4・3研究を社会的に拡散するために、月例発表会、特講および学術大会を企画·開催する予定である。

2023学年度2学期4・3融合専攻履修申請書の受付期間は8月14日(月)から21日(月)までである。11日(金)11時には済州大師範大学2号館(2235号室)で融合専攻説明会を開催する。参加学科教授、助教および大学院生が対象だが、関心のある方は誰でも参加できる。

問い合わせ:済州大学校一般大学院4・3融合専攻課程(イ・ソヨン専攻主任教授、064-754-3245)

75年も研がれた恨(ハン)、「済州4・3」専門人材養成···10年先を見越す(オーマイニュース2023/08/14)

済州大「4・3融合専攻課程」開設···長期計画に沿った予算確保、新入生募集に課題が残る

75年という歳月、心の奥底で恨(ハン)で固まった「済州4・3」について深く理解し、深みのある研究を進める専門家を養成するために済州大学校が第一歩を踏み出した。

済州地域で初めて、韓国近現代史の最も大きな悲劇と呼ばれる「済州4・3」を扱う大学レベルの専攻科目が開設された。

済州大は二つ以上の学科間協議を通じ、融合的教育のための別途課程を提供する「融合専攻」形態を用いて「4・3融合専攻課程」を開設する。必要な予算は協定期間である5年間、道と道議会、済州国際自由都市開発センター(JDC)が支援する。

ただ、4機関の協定維持期間が5年と定められたことで、専門家を養成するには期間が短いという憂慮もある。4・3研究専門家を養成する基盤も整えられず、終わってしまう可能性があるという心配の声だ。

予算支援を受けて運営するだけに、協定期間が過ぎた後の対策を用意しなければ、運営基盤が揺らぎかねない問題が発生する。4・3の全国化、グローバル化に歩調を合わせ、専門人材を育てるなど後継者を養成しようという目標が色あせる可能性もあると指摘されている。

済州大、10年段階別推進計画樹立

これに対し済州大は、協定期間が終わっても4・3関連専攻課程を維持できるよう、10年にわたる段階別推進計画を立てた。3年の跳躍期と続く3年の成熟期、4年の拡散期を持ち、持続可能な4・3専門家養成体系を構築する方針だ。

今年から2025年までは「跳躍期」で、教育・研究基盤を構築し力量を強化するという計画だ。▲国内外の国家暴力研究・教育機関との協定、▲4・3融合専攻の細部トラック開発および運用、▲学術行事の企画および遂行、▲学生交流および研修プログラム開発、などが推進される予定である。

2026年から2028年までは「成熟期」として教育・研究の高度化と専門化、体系化を目標とする。主な内容は、▲海外碩学および招聘教員講義の常設化、▲国内外優秀学生および研究人材誘致、▲大学間単位交流制開発、▲4・3学研究所新設、などである。

2029年から2032年までの4年間は「拡散期」として4・3学を定立し、アジェンダを拡散させるという目標が立てられた。▲大学間共同学位課程の開発、▲学士(教養/専攻)教育課程の開設、▲登載誌の発刊、▲4・3学術賞の制定、などである。

10年にわたる計画が正常に推進されれば、学士課程も開設できるが、予断は難しい。このように持続可能な4・3専門家養成体系を構築するためには、協定期間である5年以後の責任を負う予算と人材確保が切実な状況である。

関連して済州大関係者は「在学生を対象にする融合過程を通じて基盤を固めた後、協同課程や学部課程などの段階に進むことが適切と判断した」とし「予算を支援される5年だけ運営して終わらせるような状況にしたくないので、多様な方案を探っていくだろう」と述べた。

続けて「専門家を増やすことが4・3融合専攻課程の目標」とし「課程を通じて多様なセミナーと学術行事を開き、在野の4・3研究者を招いて特講も進めるなど4・3専門家を養成していく」と述べた。

現在の段階で4・3融合専攻課程は、協同課程などと違って在学生だけが履修でき、対象範囲が狭いという残念さがある。しかし、多様な学科が参加できるようにしているので、学際間の共同研究をもとに多彩な結果をつくり出す可能性も相当ある。

済州大は公職者や市民社会団体の関係者など、済州4・3課程だけを専攻したい人のために、4・3単独専攻課程の開設も検討中だ。融合専攻をツートラックで運用したり、協同課程に転換するなどの方法を内部規定にしたがって論議する予定だと説明した。

かねてより、大学で済州4・3を深く研究する専門人材を養成しなければならないという地域社会の要求は、過去から絶えず提起されてきた。とくに4・3学科開設問題は、歴代総長選挙のたびに登場する定番の質問でもあった。

これに対し、済州道と済州道議会、済州大、済州国際自由都市開発センター(JDC)は昨年10月26日「4・3研究分野修士・博士専門人材養成業務協約」を締結し、具体的な方案を探ってきた。

その結果、4機関は4・3研究分野の修士・博士人材を養成するために済州大大学院教育課程に「4・3融合専攻」を追加することにした。

さる6月には、▲国語国文学科、▲史学科、▲社会学科、▲一般社会教育専攻、▲政治外交学科など5学科が集まった「大学院4・3融合専攻課程運営委員会」が構成された。

4・3融合専攻課程履修可能学科もやはり運営委所属の5学科であり、来る9月2学期受講申請時に開設される科目は、▲4・3空間と境界、▲4・3研究概論、▲4・3研究の系譜、など3種類だ。

参加する教授陣は、▲キム・チワン哲学科教授、▲コン・ミンソク政治外交学科助教授、▲チェ・ヒョン社会学科教授、▲高誠晩社会学科副教授、▲ペク・ヨンギョン社会学科副教授、▲チョン・ウォングン社会学助教授、▲ヨム・ミギョン社会教育科教授、▲イ・ソヨン社会教育科副教授、▲キム・ミンス社会教育科助教授、▲チョン・チャンウォン史学科副教授、▲ヤン・ジョンピル史学科副教授、▲キム・ドンユン国語国文学科教授、など12人だ。

済州大関係者は「教育学と文学、法学、社会学歴史学、人類学、政治学など、専攻者が学際間4・3関連教科目を受講して学術論文を作成し、各分野の4・3専門家に成長することになるだろう」と述べた。

原記事:75年の深い恨(ハン)「済州4・3」専門人材養成「5年だけで終えられない」(済州の声 2023/08/13)

[対談]期待の中で門を開いた済州大「4・3融合専攻課程」【動画】(KBS済州ニュース2023/08/30)

済州大4・3融合課程新設【動画】(JIBSニュース2023/08/04)

「10年内に4・3学専攻開設目標」済州大大学院4・3融合専攻課程(済州トゥデイ2023/08/11)


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