済州四・三 76周年大阪慰霊祭

約3万人が亡くなったと言われる済州4・3事件。済州出身者が多く住む大阪では、毎年犠牲者慰霊祭を開催しています。

ラムザイヤー論文の済州4・3に関連する重大な誤記について

最近、J・マーク・ラムザイヤー米ハーバード大教授の発表した論文が、朝鮮人女性は自発的な「契約」によって「慰安婦」となり、その動員は朝鮮人業者によるものなので、日本政府や日本軍に責任がないと主張して、国際的に強い批判を浴びています。

ところが、ラムザイヤー教授は他の論文で、在日朝鮮人被差別部落出身者、沖縄の人々に対しても差別意識と偏見に満ちた見解を述べていたことが明らかになってきました。

済州4・3に関連しても、29万人であった済州島の人口が1957年までに3万人に減少し、この時、日本に逃れた共産主義者在日朝鮮人社会を支配したなどと、事実誤認に基づく主張を展開しています。

以下では、ラムザイヤー論文の内容を紹介したうえで、その問題点を指摘します。なお本稿は、実行委員会メンバーの藤永壯が執筆し、実行委員会の許可を得て掲載したものですが、文責は全面的に藤永にあることをおことわりしておきます。(記述は2021年3月16日現在の状況にもとづいています。)

続きを読む

在日本済州四・三 73周年犠牲者慰霊祭 オンライン開催

在日本済州四・三 73周年犠牲者慰霊祭
재일본 제주4.3 73주년 희생자 위령제

f:id:y-support:20210310140237j:plain   f:id:y-support:20210311161859j:plain

慰霊祭の録画はこちらからご覧ください。
위령제 녹화 동영상은 여기서 보세요.

f:id:y-support:20210425225437p:plain

プログラムはこちら!
프러그램은 여기서 입수하세요!

f:id:y-support:20210424123529p:plain

慰霊祭開催にあたってご賛助いただいた方々をご紹介します。

続きを読む

4・3特別法全面改正案、国会通過

さる2021年2月26日、済州4・3特別法の改正案が韓国国会を通過しました。今回の改正は、追加真相調査の実施、被害者特別再審の新設、被害者への慰謝料支給などを含む全面的なものです。

今回の法改正により、受刑者が名誉回復を求める再審の申請・決定までの期間が大幅に短縮されます。また被害者や市民運動が求めていた政府の賠償・補償については、被害者に「慰謝料」を支給する内容となりましたが、これは「賠償」とすべきと批判する声も根強く存在しています。

しかし、2000年1月に公布された特別法の全面改正は、長年、被害者や市民運動が求めていた内容が大幅に盛り込まれた重要な成果と言えます。

さしあたりここでは、韓国での報道記事の一部の翻訳と、その他、主要記事へのリンクを掲載します。(掲載記事は随時更新します。)

[2021.3.24追記]ハンギョレ記事「「和解・相生を語りながら…」軍・警察に立ち向かったという理由で消された名前」の翻訳を追加しました。

  • 国家賠償-特別再審、済州4・3特別法、21年を経て国会を通過した!(済州の声2021/02/26 )
  • 4・3特別法全部改正案、21年ぶりに国会議決...73年ぶりにやってきた春(済州日報2021/02/26)
  • 文大統領、済州4・3は賠補償の根拠を準備、意味ある進展(ノーカットニュース2021/03/02)
  • 呉怜勲議員が語る済州4・3特別法全面改正案の過程と意味(ノーカットニュース2021/03/04)
  • 「和解・相生を語りながら…」軍・警察に立ち向かったという理由で消された名前(ハンギョレ2021/03/22)
  • 徐台教「韓国で『済州4.3事件特別法改正案』が成立、被害補償・名誉回復などに大きな弾み」(Yahoo! JAPANニュース2021/02/27)
  • 済州4・3特別法改正案国会通過【動画】(済州MBCニュース2021/02/26)
  • 4・3特別法改正、意味と課題【動画】(済州MBCニュース2021/02/26)
  • 文京洙「4・3特別法改正:日本から見た視角」(済州日報2021/03/03)
  • 声明「20余年ぶりの結実、済州4‧3特別法改正通過」(済州平和財団2021/02/26)
  • 済州を訪れた李洛淵代表「4・3、和解と相生の未来が今こそ始まる」(ヘッドライン済州2021/02/28)
  • 済州遺族会、国家慰謝料「基金造成」言及に関心(済州の声 2021/02/27)
  • 秋美愛、済州4・3特別法通過に「お月様もお祝い…21年前の願いを成し遂げて」(毎日新聞2021/02/27)
  • 民官一つになって過去事解決の新しい転機を準備…「4・3解決の完結ではなく始まり」(済州の声2021/02/26)
  • 4・3治癒のさらなる一歩…4・3特別法通過の意味と課題(ノーカットニュース2021/02/26)
  • 済州道、4・3特別法全面改正後続措置準備本格化(ヘッドライン済州2021/02/26)
  • 4・3団体、一斉に歓迎…「賠補償など後続措置期待」(済州の声2021/02/26)
  • 済州4・3研究所「4・3特別法改正案国会通過、積極歓迎」(ヘッドライン済州2021/02/26)
  • 済州道民連帯「4・3特別法全面改正案国会通過歓迎」(ヘッドライン済州2021/02/26)
続きを読む

4・3行方不明者341名の再審開始決定

済州4・3のさなか、内乱罪や国防警備法違反罪を理由に懲役刑を宣告され、受刑生活中に行方不明となった「受刑行方不明者」341名に対する再審の開始が、2021年2月18日付で決定されました。このような大規模な再審開始決定は韓国司法史上前例がなく、行方不明者は73年の歳月を経て、ようやく正式な裁判を受けることになりました。

さる2019年1月には、4・3軍事裁判受刑者に事実上の無罪と言える公訴棄却の判決が宣告されています(当ブログに掲載した関連記事のリンク集 )。また2020年12月には、4・3の一般裁判および軍事裁判の受刑者再審で、それぞれ初めて無罪が言い渡されました(当ブログに掲載した関連記事のリンク集 )。

続きを読む

オンライン学習会「済州四・三運動の現状~四・三特別法改正を中心に~」

f:id:y-support:20210304045316j:plain

今年も大阪での済州四・三慰霊祭を前に勉強会を開催します。

韓国では昨年、済州四・三「受刑者」に対する再審で無罪判決が相次ぎました。済州四・三一般裁判および軍事裁判での再審請求に対する無罪判決が、いずれも初めて言い渡されたのです。さらに、遺体すら見つからなかった四・三行方不明受刑者の史上初の再審事件について、全員開始という歴史的決定を法院が下しました。

加えて、このたび、済州四・三の犠牲者に対する慰謝料(実質賠償金)支給などを盛り込んだ「済州四・三事件真相究明および被害者名誉回復に関する特別法」改正案が2021年2月26日、韓国国会を通過しました。これによって多くの犠牲者、遺族の名誉回復がなされることになります。

こうした最近の状況について、済州四・三研究者である済州大学校の高誠晩さんをお迎えし解説いただきます。

続きを読む