済州四・三 73周年大阪慰霊祭

約3万人が亡くなったと言われる済州4・3事件。済州出身者が多く住む大阪では、毎年犠牲者慰霊祭を開催しています。

済州でスパイ捏造被害者人権増進条例制定

さる2021年6月30日、済州道議会は「済州特別自治道スパイ捏造事件被害者等の人権増進及び支援に関する条例」を可決し、同条例は7月9日に公布されました。

4・3事件後、渡日した済州道民がスパイにでっち上げられ、有罪判決を宣告された事件が発生しました。報道によれば、済州道での被害者は39名で、このうち35名は再審で無罪となり、残りの4名も再審が進行中とのことです。また韓国全体でのこのようなスパイ捏造事件109件のうち、34%にのぼる37件が済州道関連とされています。

この条例は、被害者の実態調査や支援事業を実施するために制定されました。5月に発議された条例案では「名誉回復及び支援に関する条例」となっていましたが、済州道が「上位法に根拠がない」という立場をとったため、「名誉回復」を「人権増進」に改めることで成立に至りました。

ここでは条例案提案理由の日本語訳、関連記事(一部は日本語に翻訳)、条例の日本語訳と原文を紹介します。

条例案提案理由【日本語仮訳】

4・3事件以後、生存のために済州を離れ、日本で僑胞社会を形成し居住する済州道民が多かった。ところで、在日僑胞社会は在日本朝鮮人総聯合会(朝総聯)と在日本朝鮮人居留民団(民団)(原文ママ)に区分されるが、60年代から80年代まで公安機関により朝総聯と連関させてスパイにでっち上げられ、人権侵害を受けた事例が多数あった。

とくに当時日本で生活した済州道民の場合、4・3と連関させスパイにでっち上げられ死刑宣告を受けたり、長期間の収監生活を通じて人権侵害の犠牲者となった。これら被害者は数十年が過ぎた後、再審を通じて、結局無罪を宣告されたが、そのことによる人権侵害の後遺症が依然残っている状況である。

そこで済州特別自治道も、道民中でスパイ捏造事件により現在まで苦痛を経験している被害者および遺族らの名誉回復と支援を通じて、スパイ捏造事件による傷を治癒し、人権伸張と民主発展に寄与しようとする。

出典:「済州特別自治道スパイ捏造事件被害者等の名誉回復及び支援に関する条例案(カン・ソンミン議員代表発議)」2021.5

関連記事

軍事政権下の韓国で、帰国した在日韓国人らが北朝鮮工作員にでっち上げられた…苦渋の記憶「語り継ぐ」(東京新聞2021/08/11)

済州島スパイ捏造事件被害者支援条例をつくる【日本語仮訳】(ハンギョレ2021/05/11)

カン・ソンミン道議員、「苦しむ被害者と遺族支援」必要
カトリック人権委、スパイ捏造事件の34%が済州関連事件

済州市朝天邑出身のカン・ヒチョル氏(64)は、第5共和国時代の代表的なスパイ捏造事件の被害者だ。1975年3月、両親のいる大阪に密航して生活していたが、81年2月、不審尋問にかかり、韓国に強制送還された。カン氏は86年4月、済州市内の対共分室で85日間拘禁されたまま拷問を受けた後、87年に無期懲役が確定した。カン氏は98年8月15日に仮釈放された後、再審訴訟で09年に無罪を言い渡された。

済州道道蓮洞にある国家暴力記憶空間「怪しい家」を作った姜光保さん(81)も、高校3年の時、日本に密航し、親戚の家で生活していたが、不法滞在者として摘発され、故郷に戻りスパイにされた。姜氏は86年8月、国家保安法違反(スパイ)で懲役7年と資格停止7年を言い渡されて服役し、91年5月釈放された。姜氏も再審請求訴訟を通じ、17年7月に無罪判決を受けた。

済州地域でこのようなスパイ捏造事件の被害者を支援するための条例が発議された。姜成旼済州道議員(ともに民主党)は「済州道スパイ捏造事件被害者等の名誉回復及び支援に関する条例案」を代表発議したと11日明らかにした。

条例案は、△スパイ捏造事件の定義、△道知事の責務、△実態調査、△スパイ捏造事件の被害者などのための支援事業、△スパイ捏造事件の被害者などに関する事項を審議し、諮問するための支援委員会の設置等の内容が規定されている。条例案はスパイ捏造事件の被害者を「国家保安法などの違反を理由に有罪判決を受けた者が再審を通じて無罪宣告を受けた事件の被告人」と定義し、各種支援を可能にした。

姜議員は「済州道民のうち、スパイ捏造事件で今まで苦痛を経験してきた被害者及び遺族の名誉回復と支援を通じてスパイ捏造事件による傷を癒し、人権伸張と民主発展に寄与するためにこの条例案を提案することになった。今月会期内に通過させるために努力する」と述べた。これと関連し、道は条例趣旨に共感を示すものの、上位法の規定が必要だという立場を示している。

済州地域では日帝強占期と4・3を経て日本に渡った済州出身者が多い。1960-80年代に日本に生計のために渡った済州道民は、日本内の親戚の朝鮮総聯活動で公安機関によってスパイとでっち上げられる事例があった。

「怪しい家」によれば、真実和解委員会及び人権団体などの、現況を含む済州地域のスパイ捏造事件被害者は39名で、このうち再審を通じて無罪が言い渡された被害者は35名であり、残りの4人も再審が進行中であることが分かった。また、カトリック人権委員会の資料(2006)を見ると、全体のスパイ捏造事件109件のうち34%にのぼる37件が済州道関連事件として調査された。(ホ・ホジュン記者)

[社説]「スパイ捏造被害者」条例、名誉回復、新しい転機(漢拏日報2021/05/13)

スパイ捏造事件被害者支援条例、論争の末、審査保留(ニュー済州日報2021/06/03)

「済州スパイ捏造事件被害者支援条例」常任委通過(済州の声2021/06/17) 

 

済州特別自治道スパイ捏造事件被害者等の人権増進及び支援に関する条例

済州特別自治道スパイ捏造事件被害者等の人権増進及び支援に関する条例
[施行2021年7月9日][済州特別自治道条例第2874号、2021年7月9日制定]

第1条(目的)この条例は済州特別自治道民中、スパイ捏造事件により、現在まで苦痛を経験している被害者等の人権増進と支援を通じて、スパイ捏造事件による傷を治癒し、人権伸張と民主発展に寄与することを目的とする。

第2条(定義)この条例で使用する用語の意味は、次の通りである。
1. "スパイ捏造事件"とは、済州出身で公安事件において「国家保安法」(1980.12.31.法律第3318号で「国家保安法」附則第2条により廃止される前の「反共法」を含む)等の違反を理由に有罪判決を受けた者が、以後、再審を通じて無罪を宣告された事件をいう。
2. "被害者等"とは、スパイ捏造事件の被告人で、死亡・行方不明又は身体的・精神的に被害を受けた者と、その遺族(1世代に限定)で済州特別自治道に住民登録を置いて居住する者をいう。

第3条(責務)済州特別自治道知事(以下”道知事”という)は人権伸張と民主発展のため、スパイ捏造事件被害者等の人権増進と支援のための施策を積極的に推進しなければならない。

第4条(実態調査) ① 道知事はスパイ捏造事件被害者等の人権増進及び支援のために、被害者等に対する被害実態調査を実施することができる。
② 第1項による実態調査の対象・方法等に関し、必要な事項は都知事が別に定める。

第5条(関係機関の協力)道知事はスパイ捏造事件被害者等の人権増進及び支援のために必要な場合、関連機関等に資料の提出を要請することができる。この場合、協力要請を受けた関連機関等は、特別な事由がなければ協力しなければならない。

第6条(支援事業)① 道知事はスパイ捏造事件被害者等のための次の各号の事業を支援することができる。ただし、他の法令又は条例により、次の各号の事業と同一であったり、類似の支援を受けたり受けている場合には、支援しない。
1. 被害者等に対する医療支援金及び葬儀支援金
2. 被害者等に対する生活支援金
3. 被害者等の相談及び治療
4. 被害者等の人権増進及び社会的関心誘導のための文化・学術行事
5. 被害者等に対する社会的共感形成及び道民の理解増進のための教育及び広報活動
6. その他被害者等の人権増進及び支援のために道知事が必要であると認める事業
② 道知事は、第1項各号のいずれか一つに該当する事業を推進する機関・法人又は団体等に、予算の範囲で必要な経費の全部又は一部を支援することができる。
③ 第2項による費用の支援手続き及び方法等は、「済州特別自治道地方補助金管理条例」による。

第7条(委員会の設置等) ① 道知事はスパイ捏造事件被害者等に関する事項を審議し諮問するために、済州特別自治道スパイ捏造事件被害者等支援委員会(以下"委員会"という)を設置・運営することができる。
② 委員会は次の各号の事項を審議したり諮問する。
1. 被害者等の実態調査に関する事項
2. 被害者等の支援事業に関する事項
3. その他、被害者等に対して道知事が必要であると認める事項

第8条(委員会構成)① 委員会は委員長1名と副委員長1名を含め、性別を考慮した10名以内の委員で構成する。
② 委員会の委員長及び副委員長は委員中で互選する。
③ 当然職委員は済州特別自治道スパイ捏造事件被害者等業務担当室・局長がなり、委嘱職委員は法律、歴史、人権、教育など関連分野に対する学識と経験が豊富な者の中から道知事が委嘱する。
④ 委員の任期は2年とするが1回だけ再任することができる。ただし、委員の辞任等により新たに委嘱された委員の任期は、前任委員の任期の残りの期間とする。
⑤ その他、委員の解嘱及び除斥等に関する事項は「済州特別自治道各種委員会設置及び運営条例」による。

第9条(委員会の会議等) ① 委員長は委員会を代表し、委員会の業務を総括する。
② 委員長がやむを得ない事由で職務を遂行することができない時には、副委員長がその職務を代行し、委員長と副委員長が共にやむを得ない事由でその職務を遂行できない時には、委員長があらかじめ指名した委員がその職務を代行する。
③ 委員会の運営に必要な事項は、委員会の議決を経て委員長が定める。

第10条(施行規則)この条例の施行に必要な事項は、規則で定める。

附則
この条例は、公布した日から施行する。

제주특별자치도 간첩조작사건 피해자 등의 인권증진 및 지원에 관한 조례

제주특별자치도 간첩조작사건 피해자 등의 인권증진 및 지원에 관한 조례
[시행 2021. 7. 9.] [제주특별자치도조례 제2874호, 2021. 7. 9., 제정]

제1조(목적) 이 조례는 제주특별자치도민 중 간첩조작사건으로 인해 현재까지 고통을 겪고 있는 피해자 등의 인권증진과 지원을 통해 간첩조작사건으로 인한 상처를 치유하고 인권신장과 민주발전에 기여함을 목적으로 한다.

제2조(정의) 이 조례에서 사용하는 용어의 뜻은 다음과 같다.
1. “간첩조작사건”이란 제주출신으로 공안사건에서 「국가보안법」(1980. 12. 31. 법률 제3318호로 「국가보안법」부칙 제2조에 따라 폐지되기 전 「반공법」을 포함한다) 등의 위반을 이유로 유죄판결을 받은 사람이 이후 재심을 통해 무죄를 선고받은 사건을 말한다.
2. “피해자 등”이란 간첩조작사건의 피고인으로서 사망ㆍ행방불명 또는 신체적ㆍ정신적으로 피해를 입은 사람과 그 유족(1세대로 한정)으로 제주특별자치도에 주민등록을 두고 거주하는 사람을 말한다.

제3조(책무) 제주특별자치도지사(이하 “도지사”라 한다)는 인권신장과 민주발전을 위해 간첩조작사건 피해자 등의 인권증진과 지원을 위한 시책을 적극적으로 추진하여야 한다.

제4조(실태조사) ① 도지사는 간첩조작사건 피해자 등의 인권증진과 지원을 위하여 피해자 등에 대한 피해 실태조사를 실시할 수 있다.
② 제1항에 따른 실태조사의 대상ㆍ방법 등에 관하여 필요한 사항은 도지사가 따로 정한다.

제5조(관계기관의 협조) 도지사는 간첩조작사건 피해자 등의 인권증진과 지원을 위하여 필요한 경우 관련기관 등에 자료의 제출을 요청할 수 있다. 이 경우 협조요청을 받은 관련기관 등은 특별한 사유가 없으면 협조하여야 한다.

제6조(지원사업) ① 도지사는 간첩조작사건 피해자 등을 위한 다음 각 호의 사업을 지원할 수 있다. 다만, 다른 법령이나 조례에 따라 다음 각 호의 사업과 동일하거나 유사한 지원을 받거나 받고 있는 경우에는 지원하지 아니한다.
1. 피해자 등에 대한 의료지원금 및 장례지원금
2. 피해자 등에 대한 생활지원금
3. 피해자 등의 상담 및 치료
4. 피해자 등의 인권증진 및 사회적 관심 유도를 위한 문화ㆍ학술행사
5. 피해자 등에 대한 사회적 공감대 형성 및 도민의 이해증진을 위한 교육 및 홍보 활동
6. 그 밖에 피해자 등의 인권증진 및 지원을 위하여 도지사가 필요하다고 인정하는 사업
② 도지사는 제1항 각 호의 어느 하나에 해당하는 사업을 추진하는 기관ㆍ법인 또는 단체 등에 예산의 범위에서 필요한 경비의 전부 또는 일부를 지원할 수 있다.
③ 제2항에 따른 비용의 지원 절차 및 방법 등은 「제주특별자치도 지방보조금 관리 조례」에 따른다.

제7조(위원회의 설치 등) ① 도지사는 간첩조작사건 피해자 등에 관한 사항을 심의하고 자문하기 위하여 제주특별자치도 간첩조작사건 피해자 등 지원위원회(이하 “위원회”라 한다)를 설치·운영할 수 있다.
② 위원회는 다음 각 호의 사항을 심의하거나 자문한다.
1. 피해자 등 실태조사에 관한 사항
2. 피해자 등 지원사업에 관한 사항
3. 그 밖에 피해자 등에 대하여 도지사가 필요하다고 인정하는 사항

제8조(위원회 구성) ① 위원회는 위원장 1명과 부위원장 1명을 포함하여 성별을 고려한 10명 이내의 위원으로 구성한다.
② 위원회의 위원장 및 부위원장은 위원 중에 호선한다.
③ 당연직 위원은 제주특별자치도 간첩조작사건 피해자 등 업무 담당 실ㆍ국장이 되고, 위촉직 위원은 법률, 역사, 인권, 교육 등 관련 분야에 대한 학식과 경험이 풍부한 사람 중에서 도지사가 위촉한다.
④ 위원의 임기는 2년으로 하되 한 차례만 연임할 수 있다. 다만, 위원의 사임 등으로 인하여 새로 위촉된 위원의 임기는 전임위원 임기의 남은 기간으로 한다.
⑤ 그 밖에 위원의 해촉 및 제척 등에 관한 사항은 「제주특별자치도 각종 위원회 설치 및 운영 조례」를 따른다.

제9조(위원회의 회의 등) ① 위원장은 위원회를 대표하고, 위원회의 업무를 총괄한다.
② 위원장이 부득이한 사유로 직무를 수행할 수 없을 때에는 부위원장이 그 직무를 대행하며, 위원장과 부위원장이 모두 부득이한 사유로 그 직무를 수행할 수 없을 때에는 위원장이 미리 지명한 위원이 그 직무를 대행한다.
③ 위원회의 운영에 필요한 사항은 위원회의 의결을 거쳐 위원장이 정한다.

제10조(시행규칙) 이 조례의 시행에 필요한 사항은 규칙으로 정한다.

부 칙
이 조례는 공포한 날부터 시행한다.

 

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